外国人を不法就労させた雇用主の処罰について

 

技能実習先から失踪したベトナム人を雇用して不法就労を手助けしたとして、兵庫県警に逮捕された人材派遣会社の社長が不起訴とされました。

失踪実習生派遣、不起訴に…「入管に協力」社長主張

入管のおとり捜査が疑われるところであり非常に関心の高い事件です。

事件の詳細についてはいずれ項を改めるとして、今回は不法就労させた雇用主に科される処罰についてまとめています。

 

外国人の就労が不法就労とされる2つのパターン

外国人の就労活動が不法となるケースは2つあります。

 

1つめは、そもそも外国人が不法滞在(=不法入国、不法上陸、不法残留)しているため、就労活動も不法となるパターンです。

2つめは、在留資格にもとづいて日本に滞在しているけれど、就労活動の認められる在留資格ではなく、資格外活動許可も取得ないで就労するケースです。

 

外国人を雇用する際には、パスポートや在留カードを提示してもらい、就労資格があるか慎重に確認する必要があります。

 

不法就労助長罪とは

不法就労がおこなわれると、不法就労した外国人本人だけではなく、不法就労をさせた雇用主も処罰されます。

従来は不法就労した外国人だけが処罰されていたため、雇用主は不利益なく不法就労させることができました。そのため、外国人の不法就労が途絶えることがなかったため、平成元年の入管法改正のさいに雇用主に対しても不法就労助長罪、刑事罰が設けられました。

 

科される刑罰は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、あるいはその両方と決して軽くはありません。

 

【出入国管理及び難民認定法73条の2】
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
三 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者

 

第2項では、不法就労であることを知らなくても、過失がないときを除いて処罰を免れないとされています。

このように無過失でないかぎり処罰を免れることはできません。

繰り返しになりますが、外国人を採用するさいには、就労できる在留資格か資格外活動許可を得ているか慎重に確認しなければなりません。

 

なお、平成21年の改正により不法就労させたことが退去強制事由に追加されました。

【出入国管理及び難民認定法24条3号の4】
次のイからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
イ 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせること。
ロ 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置くこと。
ハ 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又はロに規定する行為に関しあつせんすること。

 

不法就労に関わるリスク

不法就労をさせるリスクは、刑罰リスクにとどまりません。

取引先の信用を失ったり、生産ラインの稼働がストップするなど企業の存続に関わる重大なリスクを背負うことになります。

不法就労外国人を雇用することで人手不足を一時的に補うことはできるとはいえ、長い目で見ると割に合わず得をしない行為といえるでしょう。

 

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